クソエッセイ「リトルナースの半生」


MMO廃人は、どのような人生を経て生まれるのか?
その真相に迫る、ドキュメンタリークソエッセイを記載しました。










【用語定義】
RN:リトルナースの略称

RN「オギャー、オギャー、オギャー!」
母「アラアラ、ai3なのねえ HP100%から...元気な子ね」
父「私たちに似た、元気な子だな!」

RN「オギャー、オギャ.. オギャー!!(高速)」
父「ハハハ、CTCかな?」

199X年、RNは核家族の一人っ子として生を受けました。
幼少期のRNは玉のように可愛く、すくすくと育ちました。
しかし、幸せな時期は長く続きませんでした。

RNが中学生に進学し、学歴がスタートすると同時に
RNの教育方針について、両親が大きく揉めてしまったのです。

ai1
母「RNはどうしても私立に進学させます」
父「本人が嫌がってるから強制するなよ…友達の存在もあるし」
母「貴方は何もわかってない、必ず後悔するにきまってる」
父「ためる2」

ai2
母「ハァ... テストの成績見せてごらんなさい え?3位?1位じゃないの?」
母「あなたの上に2人もいるってこと?」
RN「ごめんなさい」
母「ゲームはもう禁止ね。アンタ(父)が甘やかすから、こんな体たらくなんじゃないの?」
父「ためる2(SHT)」

ai3
母「ほら、もう18:00よ 寝なさいRN」
RN「はい…」

母「アナタ(父)はどうしていつもそうなの!?RNを甘やかしてばかり」
母「RNには絶対、良い大学に行ってもらう」
母「そのためには浪人してでも、ね 聞いてるの?アナタ」

父「SHT 雲◎ ライガー行きます」「レボルある?」
母「何いってるの?アナタ やめて!!」
ガシャンガシャンガシャンガシャン!! (家具両断)
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こんな事を数年経てしまい、RNはすっかりインキャに育ってしまいました。
ゲームは禁止され、親の監視下で勉強をし
友達の家に行く事も承認制だったのです。

そんなRNに転機が訪れたのは高校の時でした。
なんと、自分専用のPCを買ってもらう話になったのです。
ただ当然、高校生のRNが真面目にPCスキルを磨くはずもありません。
チョコットランドをはじめとした、MMOに完全に依存していくことになります。

地元で一番の進学校の特進コースに入ったRNでしたが
MMO漬けの日々で成績を維持できるはずもなく
テスト順位は底辺でした。

インキャの極みのような高校生活・家庭生活とは裏腹にMMOのRNは非常に明快なキャラクターでした。RNの居場所はここにしかなかったのです。

友人A[RNさん!来てくれたんですね!今日の領土戦も、頼りにしてますよ」
RN「任せてくれ。この後作戦会議で人員配置しよう」
友人B「戦闘のコツ、ここが分からなくって...」
RN「任せてくれ。このスキルは、このスキルと合わせて使おう」

ただ、RNの明快なキャラクターとキャラスペックを支えていたのは
親のクレジットカードによる課金でした。
毎月、5万円以上の課金が生じていましたが
親がそこに言及することはとうとうありませんでした。

当然、このような状況では大学受験は全て失敗に終わります。
家族会議の果てに浪人する事が決まり、予備校(100万円/年)に行く事になりました。
ただ、勉強へのモチベを完全に失ってしまったRNは予備校に行く事は無く
公園を徘徊したり、ネカフェで空を見上げる日々が続きました。

この世の終わりのような1年を経て、再びの受験となりますが
当然勉強していないので状況は悪化しました。
RNの受験シーズンは、センター試験(マークテスト)の方式だったため
とりあえず中身は1ミリも分からないけど色を塗る、という形でテストを終えました。

母「あんた、どうだったのよ!?テストは!?」
RN「勉強してなかったからできなかった」
母「は!?」
RN「勉強してないからできなかった..(ポロ..ポロ..)」
母「ふざけるのもいい加減にしなさい!もう1浪して、貴方は理科大に行くのよ!!」
父「もうやめよう」
RN、母「え…」

父「RN、今の成績で入れる大学に入りなさい。人生を前に進めるんだ」
父「一人で生きていく方法を学ぶんだ」

RNが適当に塗ったマークテストは、内容を1ミリも理解していないにも関わらず
マーク運がよく6割程正解していました。
この運に助けられる形で、ギリギリ理系の大学に進学する事に成功します。

もうMMOはやめよう...
真っ当な人生を歩もう...そう考えたRNは心機一転、大学生活をスタートさせたのでした。
しかし、幸せな日々は長く続きませんでした。

友人A「RN,一緒にドラクエ10?ってゲームやろうぜ!」
RN「ええ…?面白いのかな…?」
DQXの割引キャンペーンが実施されており、リアル友人が
一緒にやる事を提案してきたのです。

そこが全ての(誤りの)始まりでした。
友人Aは、所謂ほのぼのとしたMMOライフを歩む事を望んでいました。
しかし、RNのプレイスタイルはAの望む物とは大きく乖離する事となりました。

・某チムリに勧誘されチーム加入し、アクセ作製をキャリーされる
・4人乗りドルボを初日に即決課金
・エンゼル帽卒業のために、ぶちスライムに15時間/日籠る
・エンゼル帽卒業後は、ドラゴンゾンビ強に15時間/日籠る
・2垢目を作り、試練の門、メタキンを相互貼りする

何に向かっているのか分からないRNの姿を見て
友人Aは引退を決意。遺産として1億ゴールドを私に残し引退しました。
私はそのお金で、すぐにボス用の装備を購入しました。
この時、引退してくれてお金が貰えたのでちょっと嬉しかったのを覚えています。

全職のレベルをカンストさせた後は、引き寄せられるように
聖守護者に通うことになります。年越しは実家にも帰らず
サソリのツメまもとしてツッコミ避けを練習しました。

当然、こんな生活をしているため学業はスカスカでした。
友達から過去問を貰い、授業中はスマホをいじり
教授に媚びを売って単位をかすめ取る、カス大学生になりました。
しかし、幸せな日々はそう長く続きませんでした。

そう、就活です。大学を卒業すると働かなくてはなりません。
大学は親の仕送りがあったのでDQXの課金が出来ましたが
大学を出ると独り立ちしなければいけないため、流石に自分で稼がなければなりません。

しかし、ギリギリの成績で合格した大学で
ギリギリの状態で単位を取得した、スカスカの経歴です。
特に資格も無いため、就活市場では非常に苦しい存在でした。
しかし、MMOの課金代を稼ぐために背に腹は代えられません。
私は、カス就活生になることを決意しました。

カス就活生とは何か?
それは、0.1の経歴を50000ぐらいに膨らませて
ESを書いたり、面接で喋ることを指します。

真実:バイト経験ほぼ無し(試用期間で引退)
就活:バイトとりまとめ役、クレーム対応も兼任

真実:100番煎じの何かの下位互換の研究に従事
就活:最先端で未到達の領域に挑戦した研究に従事

0を1にするのは、真っ赤なウソなので重罪だと思います。
それでも、0.1だけ実績があればそれを数万倍に誇張する事は得意でした。
全部ウソなのに、まるで本当の自分のことかのようにスラスラ喋れるんです。
多分、大分目はキマっていました。

唯一の弱点は、面接にちゃんとした技術系の人が来て
「プログラムのコードをお書きの経験は?何行程度書いてます?」
のような、ヤケに解像度の高い話を求められることでした。

虫は、人間に攻撃される前にIQが跳ね上がり超回避を見せることがあると聞きます。
あれと同じ原理でしょう。プログラムなんてほぼコピペでしか書いたことがないのに
「~を使用しています。行数は物によりますが、自分の研究では簡易的な補助機能の実装のみなので~ ・・・・」
など、存在しない記憶と経験で話し切り、面接官を欺き続けました。
困難な質問への回答に重要なのは、質問に答えず論点をズラして
勝手に着地したかのように錯覚させる事です。
(大学の学会発表もほぼこの技術で行きました。)

その結果、今勤めている会社に引っかかり今に至ります。
規模が大きい会社なので、仕組みと一部の有能な人間で殆ど回っています。
自身に特殊スキルが無くとも、納期通りに歯車を回していれば大丈夫なのです。

こうして、人事からしたら最悪の人材であろう自分は
正社員として企業に潜り込み、給与を抽出して
DQXを介してスクエニに送金を続ける企業スパイとなった訳です。

親を欺き、面接官を欺き、会社を欺き
嘘をつき続けて、MMOに必要な時間と金を確保する人生。
それが、RNの人生でした。

なぜ、こんなことをしてまでMMOに貢いでいるのか。
これは、同じMMO依存者で無ければ分からないでしょう。
そこにしか、自分の本当の居場所が無い、と感じているからです。

MMOは、何もなかった自分に、居場所をくれた存在です。
MMOと自分は共依存なのです。

いかがでしたでしょうか?
自分がMMO(DQX)をプレイしている理由が伝わる
ほっこりした、あったかエッセイになってましたでしょうか?

なってましたよね?



コメント

  1. 居場所って意味ならVRChatオススメ(課金に躊躇ない=人権レベルのVR機器フルトラ+ハイスペPC用意するのも楽勝だ)
    日本人界隈ならMMO廃人とかゲーマーアニオタで学生時代ぼっちの陰キャが9割の世界だし(誇張抜き)そのトークスキルがあるなら間違いなく人気者になれる

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    1. こんにちは。日本人は、可愛いアバターを使っているのに、英語で話しかけられると散っていく事から VR界隈で外国人から妖精と呼ばれているようですね。
      フル課金して、人気の妖精になるという人生もアリですね。一般的なレールからはどんどん外れていきますが..

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  2. 経緯や目的は何であれ自立できているのは大した物だと思います
    そのバイタリティが羨ましい

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    1. こんにちは。コメントありがとうございます。
      今は、学生時代では想像できなかったぐらい自立しています。
      バイタリティはあまりないのですが、レールから落ちるか落ちないかの瀬戸際の時に、舵を握る力だけは要所要所で残されていた人生だったのだと思います。

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  3. いつも楽しく拝読しております。

    RNさんは以前小説を書いていたとブログに書かれてたと思いますが、今後ここで公開されるご予定はありますか?
    エッセイも大変面白いですが、小説も読んでみたいと思いました。

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    1. こんにちは。コメントありがとうございます。
      小説は、今後何か書いてみようと思っていた所でした。ただ小説って、結構書くのが難しいんですよね。2人の子供を養うジェルザークの苦悩を描いた小説を書いていたのですが、着地点が見つからず投稿に至っていません。期待せずにお待ちください。

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  4. あとで黒歴史になりそうな内容でとても良いと思いました

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    1. こんにちは。コメントありがとうございます。
      そもそも、人生を振り返った時、ほぼすべての期間が黒歴史みたいなものなので、もはや隠して生きる方が難しい状況です。

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  5. 分かるさ、FF14 DQ10には辛い学生生活の中オレも救われたから
    救われた(逃げた)代わりに捨てる事が出来なくなってしまうのよ
    似たような人はそこそこいるから気にしない事だ

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    1. こんにちは。コメントありがとうございます。
      リアルとMMO世界の価値が逆転してしまう事はありますよね。MMOは、かけたお金や努力が必ず報われるから止められないんでしょうね。
      お互い大変な下積み時代を経て、オトナになれたということですね。頑張っていきましょう。

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  6. 読み応えがありすぎます(褒め言葉)
    3回くらいに分ければブログランキング的にもっと楽になるのかもと、メゼ4記事から思っとります

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    1. こんにちは。コメントありがとうございます。
      ブログランキングは上がればもちろん嬉しいのですが...
      中々、同じ軸の記事を数回見に来てくれる人もいないと踏んでおり、基本は書ききりにしています。前編、中編、後編に分けると中編の閲覧数が一番低くなる的なアレですね。

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  7. すごく頭のいい方なのですね。
    その切れる頭脳を犯罪に使ったりせず、ひたすらゲーム会社に貢いでいるあなたはとてもマトモ。
    ご自分ではどう思っていらっしゃるかわかりませんが、あなたはいい方です。
    周りを欺いて生きてこられたかもしれないけれど、それで誰かを傷つけたわけじゃないし、ウソも方便、生き抜くためには必要だったのではないでしょうか。
    今やっていることも無駄ではなく、もしかして将来 作家となって賞を取ったりするかもw
    子供のころの辛い体験というのはなかなか消えないものですが、大人になった自分が当時の自分を心の中で抱きしめて「大変だったね、辛かったね、もう大丈夫、大丈夫」と優しくいたわってあげるといいみたいですよ。
    そういえば、子供のころの自分に会いに行く話がドラクエ5にありましたね^ ^

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  8. 私も以前は1%の事実を盛りまくって面接突破してました。
    でもそれだと入社してからが大変でした。
    皆さんの期待値が高すぎるというか、経験者扱いされて仕事をちゃんと教えてもらえず
    一週間ぐらいで化けの皮がはがれてしまうのです。。
    その後はいたたまれなくなって転職、を繰り返してた時期があったのですが
    RNさんは実務経験ないはずなのに、どうやって今の会社で居場所を見つけたのでしょうか?参考にさせていただきたいです!

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